No.16 台湾産ヨシノボリ
今回は、先日入荷した台湾産ヨシノボリについて少しご紹介します。
私個人的な事ですが、種類数や地域変異も多いヨシノボリが大好きなんです。
そんなわけで今回、台湾より2種のヨシノボリを入荷してみました。
1種類目は台湾ヨシノボリ・ヘンチュエンシスです。
Rhinogobius henchuensis
本種の生息地は、台湾最南端の恒春半島と言う場所です。
沖縄のように山が海に迫っている地形で、流程距離が短めの川が多い地域です。
その恒春半島にある何本かの限られた河川の、山中の上流部にしか本種は生息していません。
台湾のヨシノボリの中でも珍しい種類です。
ぱっと見は、琉球列島に生息するキバラヨシノボリに良く似ております。
そして見た目もそうですが、繁殖形態も似ています。
本種やキバラヨシノボリは、生まれた稚魚が海に下りる過程を必要とせず、河川内に留まり成長する陸封型です。
台湾島も、奄美諸島から続く琉球列島の島々の1つと言う見方もありますし、
ヘンチュエンシスは、キバラヨシノボリ亜種の一つかも知れませんね。
2種類目は、台湾ヨシノボリ・ルブロマクラータ
Rhinogobius rubromaculatus
本種は、台湾島を南北に走る中央山脈より西側の地域に広く分布しています。
もっと簡単に言うと島の左半分です。
左側ほぼ全域と分布域こそ広いのですが、本種も河川上流部の山中を好んで生息しています。
生息地を訪れた事があるのですが、サワガニやエビぐらいしか住めない様な小さな沢でした。
そんな厳しい環境の中、かなり高密度に生息しています。
本種の特長は、全身に入る赤いスポットです。
頭や体側だけでなく、顎や鰭にまでビッシリと入りとても綺麗です。
地域によって体色などに違いがあるのですが、今回の個体はヒレ先が白くなるタイプです。
美麗種として人気のある中国のゾウイがおりますが、台湾のルブロマクラータもそれに
負けないくらい美しいと個人的には思っております!
私、現地の太陽の下で見てますので、間違いないですよ!!
今回の台湾産ヨシノボリ、どちらの種もオススメです。
小型ボウズハゼ類なんかと違って、こいつらは入荷が不透明な種類です。
次の入荷がいつになるのかわかりません。
ご興味お持ちの方はお早目にどうぞ!
Rhinogobius rubromaculatus