No.103 リオ式!ビバリウム!~その後のレイアウトの行方~
以前こちらのブログで作り方を紹介させて頂きましたリオ式!ビバリウム!
記事にする前から作っていましたので、作成から早くも6ヶ月が経ち、その6か月の間にヤドクガエルの各モルフやケンランフリンジアマガエル、アマガエルモドキ等々を収容してきました。
各生体はお客様の元へ無事に全て旅立って行きましたが、レイアウトにも若干の変動が起こっています。
生体導入後も特に何も手を入れず放置したゲージ。
見た目だけを気にして作ったお蔭で生体のストックには向かなかったゲージ。
コケの生育が良すぎたせいで生体が餌を採り難くなってしまったゲージ。
色々な状況が発生し、実際にやってみて分かる事が多々ありました。
そういった中で反省の意味も込めまして、作成後のゲージと現在のゲージを並べましてご紹介をしていきたいと思います。
今現在のリオにおけるビバリウムゲージの総数は9本。
その中において一度も生体の導入がないゲージは1本だけとなります。
前回、作り方をご紹介する際に作成した用品実験も兼ねたゲージになりますので、あえて生体の導入は見送っておりました。
ご理解頂けると幸いです。
ゲージNo➀
Befor
こちらは一番最初に作ったゲージとなります。
その場のノリと勢いだけで作成に踏み切った為、ホームセンターで見繕ってきたパキラや観葉植物等が適当に配置されており、やらかした感が一番強い気がします。
↓
After
大きく手が入りました。
底材の上に敷いてあったハイゴケとパキラを撤去し、流木と玉シダを背面に配置しました。
どうしてもゲージサイズの都合上、中に入る生体は小型種となってしまい、その為に与える餌は小さくなります。
その餌がコケの下に隠れてしまい生体に行き渡らないという事態が発生してしまいました。
生体導入用レイアウト作成においては、それこそが一番の問題だったかと思います。
ゲージNo②
Befor
上記を作成した後、また新たに立ち上げる事となった際にO主任が手掛けたゲージになります。
あえて最上段までバックボードを埋め込まず、生体の通り道としての活用を目指したレイアウトとなりました。
壁面に植え付けたウィローモスも茂っていて、色々とアプローチの方法を勉強させて頂きました。
↓
After
基本的には一切手が入っていない為、あまり大きな変化はないかと思います。
バックボード全体を覆い隠したウィローモスが若干枯れてきている事と、左側に植えられた《マジックリーフの原木》(モモタマナの木)が変更点と言えば変更点でしょうか。
下手に私が手を入れてしまうとO主任に殴られて怒られてしまう為、今後もこのまま様子を観察して行きたいと思います。
ゲージNo③
Befor
O主任がせっせと作っているのを横目に作ったレイアウトがこちらです。
このレイアウトでは「水槽用として普段取り扱っている水草を使う事」をコンセプトに立ち上げています。
植えれるくんの特性も生かせ、なおかつ通常在庫してある商品で作るという実験もかねていましたが、思った以上に上手く馴染んだかと思います。
↓
After
導入した生体が原因で上部のAnナナが枯れ始めた為、ほぼ丸坊主になるトリミングを施しました。
こちらのゲージもNo➀同様、サイズが小さい為に同じ餌問題が発生したのでコケも撤去です。
左右に付いている流木はツリー系の生体が入っていた名残になります。
ゲージNo④
Befor
こちらもある意味、実験的なゲージとなります。
と言いますのも背面には植えれるくんが入っていないのです。
完全に造詣君のみでゲージ背面を覆った為、今後剥がれたり、崩落したりといった事態が発生するのではと思っていました。
その気持ちが左側においてある鉢に植わったままのポトスが物語っておりますね。
植え込みすらしていない、といった有様。
↓
After
しかし、実験の結果は予想を良い意味で裏切ってくれました。
背面は一切崩れておりません。
多少水が当たる部分に関しては表面の削れは見れるものの、ほぼ作成当初と変わらず。
さらに。
な ん と 言 う 事 で し ょ う 。
No➀で撤去したはずのパキラがこちらへ引っ越してきているではありませんか。
単に捨てるのは勿体ないから、といった理由で植え替えてみたところ、移転前より元気になっている気がします。
ちなみに、そこいら中に生えているシダは一切植えておりません。
何故か何かどこからか生えてきたと思ったらここまで成長しました。
どこまで謎のシダ草原が広がって行くのか、楽しみであります。
ゲージNo⑤
Befor
こちらが当ブログで作り方を紹介させて頂いたゲージになります。
改めてみてもあまりの殺風景さに寂しさすら感じますね。
なお、このゲージのみ生体導入は行っておりません。
↓
After
現在の姿がこちら。
シノブゴケ、生えまくりです。
ネオレゲリア、生えまくりです。
ウィーピングモス、生えまくりです。
今後、どういった変更を加えるか一切思いついておりませんので、また暫くはこのまま傍観したいと存じます。
ゲージNo⑥
Befor
生体販売業に全く向いていないゲージで堂々の一位を誇るリサイクルレイアウトです。
良く見れば一目瞭然なのですが、壁面中央のみ無駄に植物が生い茂っております。
実は、こちらは以前小型水槽にて作成していたテラリウムに用いた「造詣くん・植えれるくんを使ってみたレイアウト作成第一弾」を丸ごと移植してあります。
植え付けている植物も弊社で取り扱っているミニミニ観葉のみで一年弱は生育したものです。
ですので、その部分のみ完全に育っているという妙なレイアウトとなった次第ですが、トータルとしては割と見栄えが良かったかと思います。
難点は一つだけ。
最初に書いたように植物が生い茂り、流木が微妙なバランスで配置されている(少しでもズレると崩れる)為、導入した生体を捕獲する事が物凄い困難な点です。
↓
After
そんな文字通り「鑑賞用」レイアウトの現在の姿がこちら。
フィカス・プミラ・ミニマが背面を覆いつくす様に伸びていて「見た目」はやはりとても気に入っております。
が、しかし生体の採り難さは一切変わっていないどころか、更に難しくなっております。
底面のハイゴケは定期的にトリミングしている為にそこまで邪魔にはなりませんが、問題は左の流木と右のシダ、そして真ん中の茂った植物群です。
あの中に逃げ込まれた日にはもうレイアウトを破壊する以外の術がありませんので、今後、このレイアウトは生体の導入はせずにやはり「鑑賞用」にしたいと思います。
ゲージNo⑦
Befor
ある意味、一番生体ストックに特化したゲージがこちらです。
流木と隠れ家のみで、あとは申し訳程度にポトスを配置したのみのシンプルレイアウト。
このゲージではキオビヤドクガエルをストックしていましたが、出荷の際にも手間がかからず、生体もシェルターの下や流木の下に隠れていて狙い通りとなりました。
↓
After
現在は活着していなかったウィーピングモスをカエルが各地に運んだ為にケージ全体に行き渡っております。
バックボードにも謎のコケが生え始めていますので、次回導入の際にはある程度手を入れる事となるかと思います。
なお、若干黄ばんで見えるのは照明の当たり具合による仕様です。
ゲージNo⑧
Befor
背面にコケを植え付けたらどうなるか?の実験レイアウトです。
バックボードに植えれるくんを使っておらず、毎日の霧吹きでどの程度状態を保てるかが目的でした。
使用したのはハイゴケのみとなります。
↓
After
当初は状態良く育成していたハイゴケもジュレーゲルアマガエルを導入した事によってほぼ背面のコケを剥がされました。
しかし、こちらもどこから来たのか謎ですが、シダやその他植物が生い茂っており、思いもしなかった現状となっております。
こういったサプライズがあるのもビバリウムの楽しみ方の一つかもしれません。
ゲージNo⑨
Befor
正面右の流木をどうしても使いたくて作った上記ゲージの姉妹作品です。
イメージに近いレイアウト作成は出来た、と思いますが、その流木がガンでした。
流木の間に生体が入ってしまい、一切捕獲できなくなる事故が多発してしまったのです。
幸いにも出荷生体については事故もなく追い込めた為、お客様にお出しできなくなるような事態は起こらなかったものの、他の皆様から頂いた「こんな面倒なレイアウトを作って生体入れやがって」という冷たい目は今も忘れる事が出来ません。
本当にありがとうございました。
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After
現在はリセットを待っている状態なのでほぼフル放置されています。
左に植えてあったガジュマルは別のゲージにお引越ししており、今後はコケの撤去と流木の配置変更、および生体ストックに重きを置いたレイアウトを構想中です。
今月か来月辺りにリニューアル予定ですので、新たに作り直しましたらまたご紹介させて頂きます。
以上、現在本社にて使用中のリオ式!ビバリウム!一覧となりました。
ある程度、自分で作ってみて思った感想としましては
・ホームセンター等で市販の植物はすぐ大きくなってしまう為使いづらい。
・「観る」事と「飼う」事を両立するのは意外と難しい。
・そもそも問屋なんだからストックだけに重点を置くべきじゃないのか。
・植えてもいないのに勝手に生えてくるシダが凄い。
と言ったところでした。
この経験と感想を踏まえて、より良い(見た目にも生体的にも)レイアウトを作れるよう、頑張っていきたいと思います。
現状、本社では設置するスペースがなくなってしまった為、水草部や小動物部に勝手に作ってしまおうかとも思います。
このブログを読んで少しでも興味を持たれ、実際に作成される方がいらっしゃったら幸いです。
その際にはどんな些細な事でも構いませんので、本社所属・兼釣り部の「まるや」までご連絡頂ければ、多少なりともお力になれるかと思います。
長々と書いしまいましたが、今後もビバリウム用品や使用植物、また当然の事ながら、その中において主役となる生体に力を入れて取り組んで行きたいと思いますので、よろしくお願い致します。